多胎児妊娠について知っておきたいこと~双子・三つ子の妊娠~【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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多胎児妊娠について知っておきたいこと~双子・三つ子の妊娠~【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

多胎児妊娠について知っておきたいこと~双子・三つ子の妊娠~【医師監修】

 

お腹の赤ちゃんが双子や三つ子だと分かった時、ママ・パパはどんな気持ちでしたか?

双子・三つ子を妊娠中のママに向けて、この記事では多胎児妊娠中に知っておきたいことについてまとめています。母体の負担が大きく、無事に出産するまで不安と心配がつきないことも多いと思いますが、ママと赤ちゃんが健やかなマタニティライフを送れるために、ぜひ参考にしてください。

 

 

1. 多胎児妊娠の基礎知識

まずは多胎児妊娠の基礎知識について解説。「双子・三つ子ってどれくらいの確率で産まれるの?」「双子・三つ子が分かるのはいつのタイミング?」といった妊婦さんの疑問に答えていきます。

 

1)双子・三つ子の妊娠はどのくらいの確率?

双子を妊娠する確率は、妊婦さん100人に対して1人、約1%の確率です。三つ子妊娠ではさらに確率が低くなり、約0.01%。妊婦さん8,000人~10,000人に対して1人の確率になります。

 

そんな希少な多胎児妊娠ですが、実は近年その数が増えています。増加している理由は2つあります。

1つめは不妊治療が普及したこと。排卵誘発剤を使うことで複数の卵子が排卵することや、妊娠の確率を上げるために複数の受精卵を移植することが多胎児妊娠につながります。

2つめは出産年齢が高くなっていること。女性の年齢が高くなると、排卵を促すホルモンの分泌量が増え、1回の排卵で複数の卵子を排卵することがあります。この卵子すべてが受精・着床することで、多胎児妊娠につながるのです。

 

2)妊娠初期に多胎妊娠は「いつわかる」?

多胎児妊娠をしていた場合、妊娠6~8週頃の超音波検査(エコー)で判明することが多いです。エコーで赤ちゃんの心拍が複数確認できたり、赤ちゃんを包む袋が2つ以上確認できると、双子以上の赤ちゃんを妊娠している可能性があります。

もっと簡単に市販の妊娠検査薬などで知ることはできないの?と思うかもしれませんが、残念ながら赤ちゃんの人数は病院での超音波検査でしか知ることができません。

 

 

2. 多胎児妊娠のお腹と体の変化

 

多胎児妊娠ではお腹のなかに2人・3人の赤ちゃんを育てるため、単胎児妊娠よりも体に起こる変化が大きいといわれています。ここからは多胎児妊娠で起こるお腹と体の変化について、具体的に解説していきます。

 

1) 双子・三つ子妊娠の特徴

お腹の中に双子・三つ子の赤ちゃんを育てる妊娠の特徴です。

 

つわりが重いことが多い

つわりの原因ははっきりと分かっていませんが、妊娠を維持する女性ホルモンが関係しているといわれています。このホルモンは赤ちゃんの人数が増えると、それに伴って分泌量が多くなります。そのため、双子以上の赤ちゃんを妊娠しているママはつわりが重いことが多いと言われているのです。

 

お腹が大きくなるのが早い

お腹のなかで2人・3人の赤ちゃんを育てるためには、赤ちゃんが快適に過ごせるスペースが必要です。そのため、多胎児妊娠中のママの方がお腹が大きくなります。さらに体重の増加も多く、お腹が大きくなるペースも早いのが特徴です。

 

 

 

2) 妊娠線や体重の変化

多胎児妊娠では、お腹に赤ちゃんと人数分の羊水があるため、単胎児妊娠のママに比べて体重の増えが大きくなります。特に、妊娠後期になると赤ちゃんが急成長して、ママの体重も急激に増えることが多いでしょう。

体重増加の目安は赤ちゃんを妊娠している人数によって異なりますが、急激な体重の変化は母体への影響が大きいため、注意が必要です。妊娠合併症を発症したり、早産のリスクが高くなる可能性があるので、医師と相談して体重管理をしていきましょう。

 

 

 

また、多胎児妊娠ではお腹が大きくなるペースが早いことで、「妊娠線」ができやすいという特徴があります。妊娠線は、体重が増えることで皮膚が引っ張られて、皮膚の下にある真皮が裂けてしまうが原因です。妊娠線ができる時に「ピリピリ」とした痛みや痒みを感じる人もいます。また、妊娠線ができる場所というとお腹をイメージする人が多いと思いますが、妊娠中に大きくなる胸やお尻、太ももにもできることもあります。赤紫色やピンク色の細い線ができるため妊娠中は目立ちますが、産後は徐々に白く変化して目立たなくなるでしょう。

妊娠線の予防には適切な体重管理と、妊娠線専用のケアクリームやローションを使っての保湿ケアが大切です。特にお腹が大きくなりやすい多胎児妊娠中は、予防のためのケアを忘れずにしていきましょう。

 

妊娠線と似ているものに「正中線」があります。これら2つの違いについては、こちらの記事で解説しています。

 

 

 

3. 多胎児妊娠のリスクと注意点

 

お腹の中で何人もの赤ちゃんを育てることは、母体に大きな負担をかけます。そんな多胎児妊娠中のリスクと注意点を紹介していきます。

 

1)どのようなリスクがある?

多胎児妊娠では一人の赤ちゃんを妊娠している妊婦さんに比べて、ママも赤ちゃんもリスクが高くなります。リスクの内容はこちら。

● 早産
● 妊娠高血圧症候群
● 妊娠糖尿病
● 貧血
● 赤ちゃんの発意不全など

このなかでも特にリスクが高いのが早産です。双子では40%以上、三人以上では80%以上が早産になるといわれています。

 

 

 

さまざまなリスクが伴う多胎児妊娠では、赤ちゃんがお腹のなかでしっかりと成長し、ママの体に負担が少ないよう、定期的な健診で状態を確認していくとが大切です。ときには安静の指示が出たり、管理入院になることもあります。赤ちゃんの健やかな成長とママの体を守るために、医師と連携して無理はしないようにしましょう2)

 

多胎児妊娠のリスクや合併症については、こちらの記事でくわしく解説しています。参考にしてください。

 

 

 

 

 

2)日常生活で気をつけること

多胎児妊娠中の妊婦さんが、日常生活で気を付けることについてお伝えします。

 

十分な休息を取る

多胎児妊娠は母体への負担が大きいため、意識して体を休める時間をとることが大切です。疲労を感じる前に休憩を入れる、お昼寝の時間をとるなど、生活のなかに安静にする時間を作るようにしましょう。

 

 無理な運動は避ける

多胎児妊娠では、運動だけでなく、ちょっとした家事が負担になることがあります。パートナーと相談して、無理のない程度に分担していきましょう。また、妊娠中は無理な運動は避けたほうがよいですが、産後の体力を維持するためにストレッチなどの負担にならない程度の運動であれば続けてもよいでしょう。

 

 栄養バランスの取れた食事を意識する

お腹のなかに何人も赤ちゃんがいるからといって、たくさん食べる必要はありません。しかしママが食べたものは赤ちゃんが成長するための栄養となるため、バランスのよい食事に気を付けていきましょう3)

出産が近くなると不安が大きくなり、先輩ママさんのブログや体験談を見るママは増えると思います。しかし妊娠の経過や出産は人それぞれなので、全く同じ経過を辿るとは限りません。参考にするのはよいですが、自身の体に不安なことがあるときは、かかりつけの医療機関で相談をしましょう。

 

 

まとめ:多胎児妊娠は母体への負担が大きい。ママは体を大事にして、出産に備えよう!

多胎児妊娠は早産・妊娠中の合併症、妊娠線など母体への負担が大きいだけでなく、赤ちゃんの成長にもしっかりと目を配らないといけません。そのため医療機関と連携して妊娠の経過をしっかりと追っていくことが大切です。

妊娠は目に見えないため、赤ちゃんがしっかり育っているかなと心配になったり、このまま何事もなく妊娠を継続することができるのだろうか、と不安になることもあるでしょう。疑問や不安なことがあるときは、かかりつけの医師、医療スタッフに相談しましょう。ママが穏やかな気持ちでマタニティライフを過ごすことができるよう、医療スタッフがしっかりとケアしてくれますよ。

 

安心・安全に出産を迎えるために、個別栄養相談、助産師外来、母親学級、マタニティビクスなど多種多様なメニューを設けております。

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参考文献・参考サイト
1)国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 多胎妊娠外来
2)日本産婦人科医会 産科医療のインフォームドコンセント1 多胎妊娠
3)一般社団法人 日本多胎支援協会 1.多胎妊娠と出産の現状

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。