胎動と胎児しゃっくり、知っておきたい基礎知識【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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胎動と胎児しゃっくり、知っておきたい基礎知識【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

胎動と胎児しゃっくり、知っておきたい基礎知識【医師監修】

 

妊娠の経過が進むと、赤ちゃんの「胎動」を感じはじめます。胎動はママだけが知ることのできる、赤ちゃんの健康状態のバロメーターです。普段の胎動を知ることで、異常な胎動にもすぐに気が付くこともできます。

「胎動はどんな感じなの?」「胎動と胎児しゃっくりの違いは?」など胎動と胎児しゃっくりについて知りたいママのために、この記事では知っておきたい基礎知識を解説しています。胎動・胎児しゃっくりから赤ちゃんの成長を感じて、妊娠中のママの不安を安心につなげましょう。

 

 

1. 胎動とは

 

1) いつごろわかる?

胎動が分かるのを心待ちにしているママも多いでしょう。多くの妊婦さんが妊娠5~6カ月頃に初めて胎動を感じます。経産婦さんの中には、妊娠4カ月頃の早い段階で胎動を感じる人もいますが、初産婦さんの場合は胎動がなかなか分からないという人もおり、胎動を感じる時期は人それぞれです。

ほかのママと比べて胎動を感じる時期が遅いと不安になる人もいると思いますが、胎動を感じる時期には個人差があること、ママの体型や赤ちゃんの成長、妊娠経験などによって異なるため、あまり気にしないようにしましょう。

胎動を感じたいと思ったら、ママはリラックスした時間を多くとりましょう。
ママがゆっくり落ち着いた状態だと、赤ちゃんの胎動を感じやすいといわれています。

 

2) 胎動の感じ方

胎動は、妊娠の時期によって感じ方が異なります。

妊娠初期の胎動は、ポコポコっと腸の中のガスが動くような感じです。妊娠初期は赤ちゃんも赤ちゃんの動きも小さいため、ママが胎動に気付かないことも多いでしょう。初産婦さんよりも経産婦さんの方が「胎動かな?」と気づくことがあるようです。

妊娠中期になると赤ちゃんの動きが活発になり、お腹をポコポコと蹴られたり、お腹の中をグルンと回るのを感じます。赤ちゃんが手や足でお腹を中から押すことで、お腹の表面に赤ちゃんの手や足を見ることができる妊婦さんもいるんですよ。

妊娠後期は伸びをしたり、足でお腹を蹴ったりするなど赤ちゃんのダイナミックな動きが増える時期です。そのため「胎動が激しい」「胎動が痛い」と感じるママが多くなるでしょう。しかしだんだんとお腹の中で動けるスペースが少なくなって、臨月には赤ちゃん下に下がることで骨盤に頭が固定されて胎動がこれまでと違い鈍くなっていきます1)

 

胎動を感じる場所は、赤ちゃんの頭の位置によって違います。

赤ちゃんの頭が下の方にあるときは、お腹の上の方で胎動を感じることが多いでしょう。反対に赤ちゃんの頭が上にある逆子の胎動は、下腹部に感じることが多いとされています。

 

 

2. 胎児しゃっくりとは

 

胎児しゃっくりは、赤ちゃんの横隔膜が収縮した際に感じるお腹の動きのことです。

胎児しゃっくりは妊娠中期から後期にかけてよく見られ、長いと15分ほど続くことがあります。
しゃっくりが多い、または継続する時間が長いと「赤ちゃん大丈夫かな?」と心配になってしまうママもいるかもしれません。しゃっくりは横隔膜が発達する過程の一つで、産まれた後の呼吸の練習だともいわれているので心配しすぎなくても大丈夫ですよ。

しかし30分以上続いたり、1日3回以上の頻繁なしゃっくりを感じる場合は、赤ちゃんが何かしらのストレスを感じている可能性があるため病院で相談してみましょう。

 

 

3. 胎動と胎児しゃっくりの違い

 

「胎動と胎児しゃっくりの違いは?」「お腹が動いた時に胎動か胎児しゃっくりか分かる方法はあるの?」と思う人もいるでしょう。

胎動は赤ちゃんが手や足、全身を動かした動きを感じるので、その動きに規則性はありません。
グーっとお腹を押されるような感じもあれば、腸がグルンと動くような感じもあり、ママは妊娠中にさまざまな胎動を感じるでしょう。

対して胎児しゃっくりはお腹が「ピクッ」と規則的に小さく動きます。さらに一定時間同じ動きが続くのも胎児しゃっくりの特徴です。

このように胎動と胎児しゃっくりでは感じ方や規則性、持続する時間が違うため、妊娠の経過が長くなると2つの区別がだんだんついてきます。

胎動も胎児しゃっくりも、お腹の中で赤ちゃんが成長している証です。
妊娠中しか経験できない胎動と胎児しゃっくりから、赤ちゃんの成長を感じましょう。

 

 

4. 胎動カウントをしよう

 

1) 胎動カウントとは

胎動カウントは、妊娠後期に赤ちゃんが元気かどうかを確認する方法です。続けることで普段の赤ちゃんの胎動を知ることができ、異常の早期発見もできます。

 

2) いつから行う、どのタイミングで計る?

胎動カウントを始める時期は、胎動がしっかりと感じられる妊娠34週(妊娠9カ月)頃からがよいでしょう。また、病院で指示のあった時期から行っていきましょう。

お腹の赤ちゃんは20分ごとに寝て起きてを繰り返しています。赤ちゃんが寝ている時には胎動をほとんど感じないため、しっかりと動いて胎動をよく感じているタイミングでおこないます。

 

3) 胎動カウントの方法

病院や施設によって胎動カウントの方法に違いがあるかもしれません。指導された方法で実施するのがよいですが、ここでは基本的な胎動カウントの方法を紹介します。

 

【胎動カウントの方法】
1)ママは楽な姿勢でリラックスしましょう。
2)胎動を10回感じるまでの時間を計測します。

 

胎動を10回感じるまでの時間が30分以上かかったら、もう一度測定してみましょう。2回目の測定でも30分以上かかる、または胎動が全く感じられないなど、いつもと違うと感じたら病院に相談しましょう2)3)

 

 

5. 注意が必要な状態とは

 

胎動や胎児しゃっくりを感じると、ママは赤ちゃんが元気に成長しているのを感じられるでしょう。実は胎動と胎児しゃっくりは、赤ちゃんの異常を早期に発見することもできます。

赤ちゃんは40分のサイクルで起きる寝るを繰り返していて、起きている時間は何かしらの胎動を感じることが多いでしょう。そのため、1時間以上胎動を感じない時は赤ちゃんに異常が起こっているかもしれません。

病院では胎動よりも正確なNST(ノンストレステスト)やエコーなどで赤ちゃんの動きを確認することができるため、おかしいなと思ったら病院に相談しましょう。

胎児しゃっくりが多いなと感じたら臍帯が圧迫されていたり、羊水が赤ちゃんに過度のストレスを与えている可能性もあります。まずは落ち着いて、ママの体勢を変えてみたり深呼吸をして様子をみましょう。胎児しゃっくりがずっと続く場合は、病院に相談します。

 

 

まとめ:胎動で赤ちゃんの成長を知ろう!

お腹の中の赤ちゃんは目には見えないため「元気かな?」「ちゃんと成長しているかな?」と不安になるママも多いでしょう。そんなママが赤ちゃんの存在をしっかりと感じられるのが「胎動」です。多くのママが胎動を感じられる妊娠中期には、赤ちゃんがお腹の中で頑張って成長しているのを感じて幸せな気持ちになるでしょう。

反対に胎動がいつもより少なかったり、違う動きをすると不安になるママもいると思います。
胎動は赤ちゃんの健康を知らせるバロメーターです。普段の違う様子や胎動をまったく感じないなど、心配な事があるときは病院に相談しましょう。

 

 

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参考文献・参考サイト
1)『胎動』と『妊婦のこころの変化・産科合併症』との関連についての検討:母親に寄り添った保健指導をめざして
2)大阪母子医療センター 胎動記録
3)中国中央病院 胎動カウントって何?
4)日本産婦人科医会 胎動が多いか少ないかわからないです

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。