さい帯血保管とは?民間バンクのメリット・デメリットもご紹介【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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さい帯血保管とは?民間バンクのメリット・デメリットもご紹介【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

さい帯血保管とは?民間バンクのメリット・デメリットもご紹介【医師監修】

 

さい帯血保管は、今後の再生医療に大きく期待が持てる分野で、現在多くの妊婦さんが感心を持つようになり、保管される方も増えてきました。この記事を読まれている方にも、さい帯血保管の利用を悩んでいる方もいるでしょう。実際当院では、民間のさい帯血保管を希望される方の割合が年々増えております。

今回は、最愛のこどもたちの保険がわりにもなり、人生で1度しかとれない貴重な血液である民間の「さい帯血の保管」について説明をします。

 

1.さい帯血とは

さい帯とはへその緒のこと。へその緒は、赤ちゃんがママのお腹の中にいるとき、ママからの栄養や酸素を赤ちゃんに運ぶとても重要な役目をしています。

さい帯血とはそのへその緒を流れる血液のことです。お産直後には、さい帯血はへその緒と胎盤に残っており50~150mlほどあります。この出産の時にしかみられないさい帯血には、幹細胞(からだや血液の細胞をつくる源となる細胞)がたくさん含まれていることが分かっています1)

 

2.さい帯血保管とは?何に使える?

 

さい帯血保管とはさい帯血を安全に保管し、その子どもに「いざ何かあった」場合に、その治療手段としての選択肢を拡げるものになります。

 

1)どのようにいつ採取するの?

出産直後、赤ちゃんからさい帯血を切り離したあとに、さい帯の血管に針を刺し、さい帯と 胎盤に残っている血液を採取します。

このとき、ママや赤ちゃんに痛みはなく、分娩の進行にも影響を与えません。もし、分娩中に何らかの問題が起き、臍帯血を採取する余裕がない場合は採取を行いません。

 

2)さい帯血は何に使える?

さい帯血保管は、再生医療としてさまざまな病気の改善に期待されています2)

 

活用例)
脳性麻痺、自閉症、小児難聴 など

 

また、現在治療法のないさまざまな病気に対する治療へ活用する研究が行われており、今後の医療発展に伴い大きく期待がもてるものといえます。

 

3.「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」の違いとは?

さい帯血の保管には公的バンクと民間バンクの2つがあります。

 

※厚労省 臍帯血関連情報「公的さい帯血バンクと臍帯血プライベートバンクについて」3)

 

1)公的バンク

公的なバンクでは、妊婦からの寄付により集められた臍帯血が、第三者の患者、例えば白血病などの血液疾患の治療に使用されます。そのため、自分の子どもや家族のために使用することはできません。

 

厚生労働大臣の許可を受けた業者は以下の全国6カ所です。

・北海道さい帯血バンク
・関東甲信越さい帯血バンク
・近畿さい帯血バンク
・九州さい帯血バンク
・中部さい帯血バンク
・兵庫さい帯血バンク

 

2)民間バンク(プライベートバンク)

民間のバンクでは、臍帯血は生まれたばかりの赤ちゃん自身のために保管されます。また、特定の病気や条件に基づいて、臍帯血が赤ちゃんの兄弟姉妹などの家族にも活用されることがあります。

 

厚労省へ臍帯血プライベートバンクの事業の届出を行った業者は以下の2カ所です。
・株式会社ステムセル研究所
・株式会社アイル

 

3.民間のさい帯血バンクのメリット・デメリットとは

 

1)メリット

さい帯血を赤ちゃん本人とそのご家族の将来のために保管することができることが一番のメリットです。

また、もし治療に活用される場合、自身のさい帯血は拒絶反応を起こしにくいというメリットもあります。さらに、いまだ治療法が確立されていない病気や、今後の再生医療に備えることができる保険かわりとして利用できます。

現在は、さい帯血ではなく同じく再生医療に大きく期待を持てる「さい帯保管」を始めるなどの新たなサービスもでてきました。さい帯血は、そのときの状況によって保管できない場合もあるため、さい帯と一緒に保管を考えることでより安心につながるでしょう。その他にも民間バンクならではのサービスを提供(臍帯血幹細胞培養上清液の家族利用など)しています。興味のある方は早めに資料請求をおすすめします。

 

 

2)デメリット

費用がかかることが一番のデメリットといえるでしょう。

費用は業者やプランによってちがいます。またいつまで保管するか期間によっても異なるため、料金をみながら検討するとよいでしょう。
とはいえ、子どもの万が一のための「保険」ということになれば、費用がかかるのは仕方のないことではあります。子どものためにも、安心をお金で買うというのもひとつの方法なおではないのでしょうか。

 

まとめ:さい帯血保管について家族で話し合おう

さい帯血保管は、今後多いに期待の持てる医療のひとつですが、本人のさい帯血は出産のときのわずかなチャンスでしか採取できません。この貴重なさい帯血をどのように扱うか、必要かどうかを出産前・妊娠中に一度家族で検討してみることをおすすめします。

当院では日本でトップシェアを誇る「株式会社ステムセル研究所」と提携しております。わからないことなどあればお気軽にご相談ください。また、さい帯血保管をより詳しく学べる教室「さい帯血教室」もご用意しております!ぜひご家族でご参加くださいね。

 

安心・安全に出産を迎えるために、個別栄養相談、助産師外来、母親学級、マタニティビクスなど多種多様なメニューを設けております。

詳しくはこちら
ガーデンヒルズウィメンズクリニック 各種教室の案内

 

出典
1) 厚生労働省 第42 回造血幹細胞移植委員会 「さい帯血提供についての説明」
2) 株式会社 ステムセル研究所 「臍帯血とは?保管すると赤ちゃんにどんなメリットがあるの?」
3) 厚生労働省 「赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報)」

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。