閉経はいつ?何歳から始まる?平均年齢・前兆・閉経後の症状について【医師監修】
- 2026年8月1日
- 更新日: 2026年7月30日
- 医療コラム

閉経は特別なことではなく、すべての女性が経験する自然なプロセスです。しかし、いつ・何歳で迎えるのか、どんなサインや症状が出るのか、知らないと戸惑う場面も多いでしょう。
本記事では、閉経の平均年齢・前兆・閉経後のおりものや出血まで、知っておきたい知識をわかりやすく解説します。
1. 閉経とは?いつから始まりいつまで続くもの?

「閉経」という言葉を聞いたことはあっても、正確に何を指すのかよくわからない、という方は少なくありません。
閉経とは、卵巣の働きが低下し、月経(生理)が永久に止まることを指します。一般的には、1年間にわたって生理がない状態が続いた時点で「閉経した」と判断されます。
「自分はいつから閉経が始まるの?」「何歳まで生理は続くの?」と疑問や不安を抱える方も多いでしょう。閉経は一日で突然起こるものではなく、数年かけて体が少しずつ変化していきます。その仕組みと年齢の目安を、順を追って確認していきましょう。
1) 閉経の平均年齢は何歳?
日本人女性の閉経の平均年齢は、おおよそ50〜51歳前後とされています。
とはいえ、閉経の年齢には個人差があり、45〜55歳の範囲でのばらつきは「正常」の範囲内です。一般的に40代後半ごろから閉経を意識し始める方が多く、生理周期の乱れや体調の変化をきっかけに「もうすぐ閉経かもしれない」と気づくケースが多いとされています。
閉経の時期に影響する要因としては、遺伝(母親の閉経年齢)、喫煙習慣、体重などが挙げられます。喫煙者は非喫煙者より閉経時期が早まる傾向があることが、複数の研究で示されています。
2) 早発閉経・遅発閉経もある
平均年齢から大きく外れて閉経する場合もあります。
40歳未満で閉経する場合は「早発閉経(早発卵巣不全)」と呼ばれ、100人に約1人の割合で見られるとされています1)。月経が止まるだけでなく、不妊や骨粗しょう症リスクの上昇など、長期的な健康への影響も懸念されるため、早めに婦人科を受診することが大切です。
一方、55歳以降まで生理が続く場合は「遅発閉経」とされることがあります。こちらも一概に異常というわけではありませんが、子宮体がんや乳がんとの関連が指摘されているため、定期的な検診を怠らないことが重要です。
2. 閉経が近づくサイン・前兆とは?

閉経は突然訪れるわけではなく、その数年前から体にさまざまなサインや前兆が現れ始めます。閉経前に起こりやすい体のサインを具体的に確認しておきましょう。
1)閉経前の生理はどう変化する?
閉経前の生理は、あるとき突然なくなるのではなく、段階的に変化していくことがほとんどです。この移行期間は更年期(閉経移行期)と呼ばれ、閉経の数年前から始まります。
【閉経の3〜5年前】周期が短くなる・長くなるなど不規則になり始める
【閉経の1〜3年前】経血量が減ったり増えたりし、周期が2か月以上あくこともある
【閉経直前】数か月単位で生理が来なくなり、最終的に止まる
ただし、不規則な出血はすべてが閉経前の変化とは限りません。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がんなどの病気が原因の場合もあるため、気になる変化が続く場合は婦人科を受診するようにしましょう。
2)ほてり・発汗などの代表的な症状
閉経前後に現れやすい更年期症状のなかで、とくによく知られているのが「ホットフラッシュ」です。これは女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下が自律神経のバランスを乱すことで起こります。
その他に、ほてり・のぼせ・発汗のほか、動悸、頭痛、肩こり、気分の浮き沈みやイライラ、不眠なども挙げられます。これらが複数重なって現れるケースも多く、日常生活に支障が出るほど症状が重い場合は「更年期障害」として医療的なサポートを受けることができます。
症状の強さや種類は個人差が大きいため、「自分は症状が出ていないから閉経ではない」とも言い切れません。自覚症状がなくても、生理の変化が見られる場合は閉経の移行期にある可能性があります。
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3)見逃しやすい症状にも注意
ほてりや不眠は「更年期症状」として認識されやすい一方、見落とされがちな症状もあります。代表的なものが「胃痛・消化器系の不調」です。自律神経のバランスが崩れることで、胃もたれ、胃痛、便秘や下痢といった消化器症状が現れることがあります。「最近なんとなく胃の調子が悪い」という状態が閉経前の変化のひとつである場合も、実は少なくありません。
また、理由のわからない強い倦怠感・集中力の低下・関節痛なども、更年期特有のホルモン変化と関連していることがあります。「歳のせい」「疲れているだけ」と放置せず、こうした不調が2週間以上続く場合は婦人科や内科への受診をおすすめします。
3. 閉経後のおりもの・出血は要注意

閉経を迎えると、女性ホルモンの減少によって腟や子宮の状態にも変化が起こります。なかでも「おりもの」や「出血」の変化は、見逃してはいけない大切なサインです。
1)閉経後のおりものの変化とは
閉経前のおりものは、卵巣から分泌されるエストロゲンの働きによって腟内環境を整える役割を担っています。しかし閉経後はエストロゲンが急激に低下するため、おりものの量が大幅に減り、腟が乾燥しやすくなります。
この状態が進むと「萎縮性腟炎(老人性腟炎)」を引き起こすことがあります。萎縮性腟炎では腟壁が薄くなって傷つきやすくなり、おりものが黄色っぽくなる・においが気になる・腟のかゆみや灼熱感が出るといった症状が現れることがあります。「閉経後なのにおりものの量が増えた」「色やにおいが変わった」と感じた場合は、感染症(細菌性腟炎など)や他の疾患のサインである可能性もあるため、自己判断は禁物です。
2)閉経後の出血は必ず受診を
閉経後(1年以上生理がない状態のあと)に性器出血が見られた場合、それは生理ではありません。閉経後の出血は「不正出血」として扱われ、原因を必ず調べる必要があります。
原因としては、前述の萎縮性腟炎や子宮頸管ポリープのような良性疾患から、子宮体がんのような悪性疾患まで幅広く考えられます。子宮体がんは閉経後の女性に多く見られ、初期症状として不正出血が現れることが多い疾患です2)。
「出血量が少ないから大丈夫」「おりものに血が混じっている程度だから」と様子を見てしまうケースもありますが、量や頻度にかかわらず、閉経後の出血は速やかに婦人科を受 診してください。
4.閉経後の体と上手に付き合うために

閉経後は女性ホルモンの減少により、骨や血管、代謝などさまざまな面で体に変化が生じます。これらは決して特別なことではなく、すべての女性に訪れる自然な変化です。閉経後の生活をより健やかに過ごすためのポイントをご紹介します。
1)骨や代謝への影響に備える
エストロゲンには骨を守る働きがあるため、閉経後にその分泌が低下すると骨密度が急速に低下しやすくなります。骨粗しょう症のリスクが高まるこの時期は、カルシウムやビタミンDを意識した食事、ウォーキングなどの荷重運動が予防に効果的とされています3)。
また、エストロゲンには血中コレステロールをコントロールする作用もあるため、閉経後は脂質代謝が変化し、LDLコレステロール(悪玉)が増えやすくなる傾向があります。動脈硬化や心疾患のリスクにもつながるため、定期的な血液検査で数値を把握しておくことが大切です。
2)気になる症状は早めにクリニックへ
閉経後も、婦人科への定期的な受診は続けることが重要です。子宮頸がん検診や乳がん検診は閉経後も対象年齢が続きますし、骨密度測定や脂質・血糖の検査も定期的に行うことで、病気の早期発見につながります。
「症状がないから受診しなくていい」ではなく、異常がないことを確認するための受診が、閉経後はとくに大切になります。
まとめ:閉経に関して不安なときは早めの受診を
日本人女性の閉経の平均年齢はおおよそ50〜51歳前後ですが、個人差があり、早発閉経や遅発閉経のケースもあります。閉経前には生理周期の乱れ、ほてり、発汗、胃痛や倦怠感などさまざまなサインが現れることがあります。
閉経後はおりものの変化や不正出血が見られた場合、速やかな受診が大切です。骨密度や代謝への影響にも備えながら、定期的な婦人科検診を続けましょう。一人で抱え込まず、気になる変化はぜひ早めにクリニックへご相談ください。あなたの体の変化を、専門家と一緒に正しく理解していきましょう。
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参考文献・参考サイト
1)MSDマニュアル家庭版「早発閉経の診断」
2)公益財団法人日本婦人科腫瘍学会「子宮体がん」
3)女性の健康推進室ヘルスケアラボ「骨粗しょう症、骨折」
この記事の監修
牛丸敬祥 医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

経歴
- 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
- 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
- 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
- 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
- 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
- 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
- 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。
