赤ちゃんが寝ているときに突然ビクッ!モロー反射の原因・期間・対策【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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赤ちゃんが寝ているときに突然ビクッ!モロー反射の原因・期間・対策【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

赤ちゃんが寝ているときに突然ビクッ!モロー反射の原因・期間・対策【医師監修】

 

「やっと寝かしつけたのに、突然ビクッと動いて目が覚めてしまった」そんな経験をした新生児のママ・パパは少なくありません。この動きの正体は、モロー反射と呼ばれる赤ちゃんに生まれつき備わった正常な反応です。病気ではなく、むしろ神経が健やかに育っているサイン。

ここでは、モロー反射がなぜ起きるのか、いつからいつまで続くのか、そして睡眠中のビクッへの対応策をわかりやすく解説します。

 

 

1. モロー反射はなぜ起きる?そのメカニズムと意味

 

「赤ちゃんが突然両腕をパッと広げ、その後ギュッと胸に引き寄せるような動き」
これがモロー反射です1)。音や光、体勢の変化といった外からの刺激がきっかけとなって起こります。

 

1)脳幹が司る「自動的な反応」

モロー反射は、原始反射と呼ばれる反応のひとつです。原始反射とは、大脳皮質(脳の高次な思考をつかさどる部分)がまだ十分に発達していない赤ちゃんが、脳幹という脳の根本的な部分から自動的に起こす反射の総称。自分の意思でコントロールしているわけではなく、刺激を受けると反射的に体が動く、という仕組みです。

この反射が正しく起きることは、神経系が正常に機能しているサインでもあります。そのため、産婦人科や小児科での新生児健診の際には、モロー反射の有無や左右のバランスが確認される項目のひとつになっています。「ちゃんとビクッとしてくれた」という反応が、赤ちゃんの神経発達が順調であることの証拠として評価されるのです。

 

2)身を守るための本能的な動き

なぜこのような反射が備わっているのか、それは「転落などの危険を感じたときに何かにしがみつこうとする、本能的な防御反応が起源ではないか」と考えられています。両腕を広げてから体に引き寄せる動きは、木の枝や母親にしがみつこうとする動きに似ているともいわれます。

 

3)大人の「ビクッ」とは何が違う?

大人でも、急に大きな音がしたり、高いところで足を踏み外しそうになったりしたとき、思わずビクッとすることがあります。これは驚愕反応と呼ばれるものです。しかし、大人の場合は体が一瞬すくむ・肩が上がる・目をつぶるといった反応にとどまります。

赤ちゃんも成長とともに大脳皮質が脳幹の働きをコントロールできるようになり、原始反射は姿を消していくのです。

 

 

2. いつからいつまで?モロー反射が続く時期の目安

 

モロー反射には、ある程度の目安となる時期があります。個人差はありますが、多くの赤ちゃんに共通する経過を知っておくだけで、毎日の育児の安心感がぐっと変わってきます。

 

1) いつから見られる?

モロー反射は出生直後から確認できる反射です。生まれてすぐの新生児期がもっとも反応が強く出やすく、ちょっとした刺激でもよく動きます。

産院での入院中、助産師や医師が「腕を広げる動きを確認しますね」と赤ちゃんの体を少し動かすのを見たことがあるかもしれません。あれがモロー反射の確認です。しっかり反応が見られることは、神経の発達が順調に進んでいる証拠として評価されます2)。生まれてすぐからこのような検査が行われているのは、それだけモロー反射が赤ちゃんの健康状態を知る大切な指標だからです。

 

2) いつまで続く?

多くの赤ちゃんでは、生後4〜6ヶ月ごろを目安にモロー反射は自然に消えていきます3)成長とともに脳が発達し、外の刺激に対して自動的に反射しなくても対応できるようになるためです。

ただし、消えるタイミングには個人差があります。早めに落ち着く赤ちゃんもいれば、6ヶ月近くまで続く赤ちゃんもおり、どちらも正常の範囲内です。

一方で、生後6ヶ月を過ぎてもモロー反射が強く残っている場合や、左右どちらか一方だけ反射の強さに明らかな差がある場合は、小児科や産婦人科に相談することをおすすめします。多くの場合は問題ありませんが、神経や筋肉の発達を確認してもらうことで安心につながります。

 

 

3. 寝ているときのビクッが心配…睡眠中のモロー反射への対応

 

「やっと寝てくれたのに、またビクッとして起きてしまった……」。そんな夜が続くと、ママもパパも本当に疲弊してしまいます。仕組みを理解したうえで、できることから取り入れてみましょう。

 

1) 寝ているときに起きやすいのはなぜ?

赤ちゃんの睡眠は、大人と比べてレム睡眠(浅い眠り)の割合がとても高いという特徴があります。大人では睡眠全体の約20〜25%がレム睡眠とされているのに対し、新生児ではおよそ50%以上がレム睡眠ともいわれています4)

レム睡眠中は脳が活発に動いており、外からの刺激に反応しやすい状態です。そのため、少しの音や振動、部屋の明るさの変化といったことでモロー反射が誘発され、目が覚めてしまうことが多いのです。
「せっかく抱っこで寝かせたのに、布団に置いたらすぐ起きてしまう」という経験も、この浅い眠りと密接に関係しています。赤ちゃんの睡眠の仕組みとして自然なことであり、焦らず向き合っていきましょう。

 

2) スワドル(おくるみ)で包むと落ち着く理由と使い方

モロー反射による目覚めへの対策として、多くの助産師や小児科医が紹介しているのがスワドル(おくるみ)を使って、赤ちゃんの腕を体にそわせた状態で優しく包み込む方法です。

腕の動きを穏やかに制限することで、モロー反射が起きても大きく腕が広がらなくなり、反射による覚醒を抑える効果が期待できます。また、子宮の中にいたときのような包まれた感覚が赤ちゃんに安心感を与えるとも考えられています。

 

スワドルを使う際のポイント
・腕はやさしく包み、胸を締めつけすぎない
・足元はゆとりを持たせ、股関節が自由に動くようにする
・暑くなりすぎない素材や室温に気をつける

使用期間の目安は首がすわり始める生後3〜4ヶ月ごろから、自分で寝返りができるようになる前後がスワドル卒業の目安です。寝返りができるようになると、うつぶせになったときに自分で体勢を戻せないと危険なため、タイミングを見て卒業しましょう。

 

3) スワドル以外にもある!寝かしつけに役立つ環境づくり

スワドルと並んで、寝室の環境を整えることもモロー反射による目覚めを減らすのに効果的です。赤ちゃんが刺激に反応しにくくなるような環境を少しずつ整えてみましょう。

 

照明を落とす

就寝時は部屋を暗くし、急な光の変化を避ける。常夜灯(豆電球)程度の明るさにするか、遮光カーテンを活用するのもよい方法です。

 

急な大きな音を避ける

テレビや会話の音量を抑えるほか、ホワイトノイズ(雨音・換気扇の音など一定の音)を流す方法も赤ちゃんを落ち着かせるのに役立つことがあります。

 

「背中スイッチ」対策を工夫する

抱っこから布団に置くとき、そっと着地させると、体への衝撃が分散されモロー反射が起きにくくなります。また、置いた後もしばらく手を背中に添えたままゆっくり離すと、温度変化や感触の変化を緩やかにできます。

どれかひとつから試してみるだけで変化を感じるケースもあります。完璧にやろうとせず、「今日はこれを試してみよう」という気軽な気持ちで取り入れてみてください。

 

 

まとめ:モロー反射は成長の証、焦らず見守ろう

モロー反射は、赤ちゃんが神経系を発達させていく過程で自然に起こるものであり、生後4〜6ヶ月ごろには多くの赤ちゃんで自然と落ち着いていきます。寝かしつけに苦労する日が続くときは、スワドルや環境づくりの工夫を少しずつ取り入れながら、この短い時期ならではの赤ちゃんの成長を温かく見守ってあげてください。

「反射がなかなか消えない気がする」「左右の動きに差があるような気がする」など、気になることがあればひとりで抱え込まず、ぜひクリニックへご相談ください。

 

 

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参考文献・参考サイト
1)公益財団法人日本助産師会:妊娠中の標準的な健康教育
2)MSDマニュアル家庭版:新生児の身体診察
3)看護roo!:周産期マニュアル「計測・反射・評価」
4)一般社団法人日本睡眠学会:睡眠の発達「乳幼児の睡眠」

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。