卒乳とはいつから?やり方のタイミングと断乳との違い【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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卒乳とはいつから?やり方のタイミングと断乳との違い【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

卒乳とはいつから?やり方のタイミングと断乳との違い【医師監修】

 

卒乳の時期ややり方に決まったルールはなく、赤ちゃんとママそれぞれのペースによって進め方もさまざまです。

この記事では、卒乳とは何か・いつごろ迎える方が多いのか・断乳との違いや保育園入園を見据えたスケジュールの立て方まで、わかりやすく解説します。

 

 

1. 卒乳とは?断乳との違いをまず知ろう

 

「卒乳」という言葉はよく耳にしますが、似た言葉に「断乳」もあり、違いがわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。どちらを選ぶかで進め方や赤ちゃんへの影響も変わってきます。まずはそれぞれの意味と違いを整理しておきましょう。

 

1) 卒乳とはどういうこと?

卒乳とは、赤ちゃんが自分のペースで少しずつおっぱいやミルクを飲まなくなり、自然と授乳が終わることを指します。「卒業」という言葉の通り、赤ちゃんが主体となって授乳から卒業していくイメージです。

授乳回数が徐々に減り、最終的にはおっぱいを求めなくなるという流れが典型的で、数週間から数ヶ月かけてゆっくり進むことが多いです。ママから働きかけるのではなく、赤ちゃんの「もういらない」というサインを待ちながら進めるのが卒乳の特徴です。

 

2) 断乳との違いは?

断乳は、ママや家族の判断で計画的に授乳を終わらせる方法です。仕事復帰・保育園入園・次の妊娠の準備など、明確なタイミングや理由がある場合に選ばれることが多く、期間を決めてスケジュールに沿って進めていきます。

 

 

2. 卒乳はいつから?何歳が平均的なタイミング?

 

「うちの子はいつから卒乳を意識すればいいの?」というのは、多くのママが気になるポイントです。卒乳を考え始める時期の目安と、一般的にいわれている平均的な年齢について紹介します。

 

1)卒乳を意識し始める時期

離乳食が3回食に近づいてくる生後10カ月〜1歳前後ごろから、食事から摂れる栄養が増えるにつれて授乳回数が自然と減っていく赤ちゃんもいます。「最近あまりおっぱいを求めなくなったな」と感じたら、卒乳に向けて少しずつ意識し始めるタイミングかもしれません。

ただし、1歳を過ぎてもしっかり母乳を飲む赤ちゃんもいれば、10カ月で自然にほとんど飲まなくなる赤ちゃんもいます。個人差が非常に大きく、「この時期に卒乳しなければいけない」という決まりはありません。赤ちゃんの食欲・体重増加・全体的な発育が順調であれば、いつから意識し始めても問題ありません。

 

2)卒乳の平均的な年齢は何歳ごろ?

日本では一般的に、1歳〜1歳半ごろに卒乳・断乳を経験する家庭が多いといわれています1)。
「平均が1歳半なら、うちの子が2歳でもおっぱいを飲んでいるのは遅い?」と心配される方もいますが、平均はあくまで目安であり、授乳を続けることで赤ちゃんに悪影響が出るわけではありません。その子のペースを尊重することが、卒乳を無理なく迎えるうえで最も大切な視点です。

 

 

3. 卒乳のやり方とタイミングの決め方

 

卒乳を進める際には、いつから・どんな流れで進めるかによって赤ちゃんとママの負担が変わってきます。無理のない卒乳のやり方と、タイミングを決める際に意識したいポイントを紹介します。

 

1)卒乳のやり方の基本的な流れ

卒乳は、一気に授乳をやめるのではなく、少しずつ授乳回数を減らしていくのが基本的な進め方です2)。

・まず日中の授乳から減らし始め、食事やおやつで栄養を補う
・次に昼寝前の授乳をなくし、絵本や抱っこなど別の安心の手段に切り替える
・最後に寝かしつけ・夜間の授乳を減らし、寝る前のルーティンを変えていく

赤ちゃんにとって授乳は栄養だけでなく安心感を得る手段でもあります。授乳の代わりになる「安心できる関わり方」を一緒に見つけてあげることが、スムーズな卒乳につながります。スキンシップを増やしたり、抱っこしながら絵本を読んだりする工夫も効果的です。

 

2)タイミングを決めるときに考えたいこと

卒乳のタイミングを選ぶ際は、まず赤ちゃんの体調と機嫌が安定している時期を選ぶことが大切です。体調を崩しているとき・歯が生え始めて不機嫌なとき・環境が大きく変わるタイミングは、できるだけ避けるようにしましょう。

ママ側の事情も大切な判断材料です。仕事復帰の時期・体調・精神的な余裕なども考慮したうえで、無理のない時期を選ぶことが、卒乳を長続きさせる秘訣です。「こうしなければならない」という正解はないため、家族でよく話し合いながら進めてください。

 

 

4.保育園入園を見据えた卒乳スケジュール

 

保育園入園を控えているご家庭では、「入園までに卒乳しておいたほうがいいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは入園時期を見据えたスケジュールの考え方を紹介します。

 

1)保育園入園と卒乳の関係

結論からいうと、保育園入園までに必ずしも卒乳を終える必要はありません。保育園によっては、園内でミルクの対応が可能な場合もあります。入園予定の園に事前に確認しておくと、スケジュールを立てる際の大きな安心材料になります。

また、環境の変化が大きい入園直後は、赤ちゃんがストレスを感じやすい時期でもあります。入園と同時に卒乳を進めると赤ちゃんへの負担が重なるため、「入園後に落ち着いてから卒乳を進める」という選択もあるでしょう。

 

2)無理なく進めるスケジュールの立て方

保育園入園を見据えて卒乳を進める場合は、入園予定日から逆算して1〜2カ月程度の余裕を持ってスタートするのが理想的です。焦って急ピッチで進めると赤ちゃんとママの双方に負担がかかるため、「少しずつ」を意識することが大切です。

たとえば入園が4月であれば、2月ごろから授乳(母乳)回数を減らし始め、3月中に夜間授乳または、母乳授乳をなくす、という流れが一例として考えられます。赤ちゃんの反応を見ながら柔軟に調整し、うまくいかない日があっても焦らず続けましょう。

 

 

5.  卒乳後の変化と過ごし方

 

卒乳を終えたあと、ママの体や赤ちゃんの生活にはどのような変化が起こるのでしょうか。卒乳後に気をつけたいポイントを確認しておきましょう。

 

1)卒乳後の胸の変化とケア

授乳が終わると、それまで母乳を作り続けていた乳腺が徐々に分泌を止めていきます。卒乳直後は胸に張りや不快感を覚える方が多く、特に断乳の場合は急に授乳をやめるため張りが強く出やすいです。

痛みや張りが強い場合は、少量だけ搾乳して圧を逃がす(飲ませるほどしっかり搾らない)ことが不快感を和らげる助けになります。ただし、搾りすぎると分泌が続いてしまうため注意が必要です。張りや痛みが数日以上続いたり、しこりや発熱を伴う場合は乳腺炎の可能性があるため、助産師や産院に相談しましょう3)。

 

2)卒乳後の栄養はミルクや食事でどう補う?

1歳以降に卒乳した場合、離乳食(幼児食)からの栄養摂取が中心になります。鉄分・カルシウムなど母乳から摂っていた栄養素を食事でしっかり補うことを意識しましょう。

1歳未満で卒乳が進む場合は、不足する栄養を育児用ミルク(または液体ミルク)で補います。1歳以降もミルクを続けたい場合は、フォローアップミルクの使用も選択肢のひとつです。ただしフォローアップミルクはあくまで食事の補助であり、食欲を妨げない範囲で取り入れることが大切です。

卒乳後しばらくは、赤ちゃんが食事から十分に栄養を摂れているか・体重が順調に増えているかを確認しながら過ごしましょう。気になることがあれば、1歳半健診や小児科でも相談できます。

 

 

まとめ:卒乳は、赤ちゃんとママがそれぞれのペースで授乳を終えていく自然な過程であり、正解は一つではない

卒乳の時期ややり方には個人差があり、平均的な年齢はあくまで目安にすぎません。断乳との違いを理解したうえで、赤ちゃんの様子や家庭の状況(保育園入園・仕事復帰など)に合わせて無理のないスケジュールを選ぶことが大切です。

卒乳後は胸の変化や栄養面にも気を配りながら、赤ちゃんの新しい生活リズムをゆっくり整えていきましょう。「これでよかったのかな」と不安になることがあっても、一人で悩まず助産師や産院に相談してください。授乳期間が長くても短くても、赤ちゃんとの大切な時間に変わりはありません。

 

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参考文献・参考サイト
1)厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)
2)日本ベビーフード協議会:授乳・離乳の支援ガイド
3)株式会社日本助産師会出版:乳腺炎ケアガイドライン2020

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。