赤ちゃんの鼻くそ、取るべき?正しい取り方と注意点を解説【医師監修】

赤ちゃんの「鼻の中に鼻くそがたまっているけど、取ってあげた方がいいの?」「白い塊や臭いが気になる」など、赤ちゃんの鼻のゴミにまつわる悩みは意外と多いものです。下手に触って傷つけてしまわないか不安になる方も少なくありません。
この記事では、取るべきかの判断基準から正しい取り方、奥に入って取れないときの対処法まで、わかりやすく解説します。
1. そもそも赤ちゃんの鼻くそは取るべき?

赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないため、鼻の中に鼻水が乾燥した鼻くそやほこりなどのゴミがたまりやすい特徴があります。「見えたら全部取らなきゃ」と思う必要はありませんが、状況によっては取ってあげた方がよいケースもあります。まずは判断の目安を確認しておきましょう。
1) 無理に取らなくてもよいケース
鼻くそが少量で、赤ちゃんが呼吸に困っている様子もなく、機嫌よく過ごしているのであれば、無理に取る必要はありません。
鼻くそは、くしゃみや鼻水とともに自然に出てくることも多く、過度にケアしすぎると逆に鼻の粘膜を刺激してしまうこともあります。
特に鼻の入り口から奥にある鼻くそは、無理に取ろうとすると粘膜を傷つける危険があります。赤ちゃんが不快そうにしていない・授乳や睡眠に問題がない、という場合は様子を見て問題ありません。
2) 取ってあげたほうがよいケース
次のような場合は、鼻のゴミを取り除いてあげることで赤ちゃんが楽になることがあります。
・鼻づまりで苦しそうにしている・鼻声になっている
・母乳やミルクを飲みながら途中で息を止めるような様子がある
・眠っているときにいびきのような音がしている
・鼻の入り口に鼻くそが見えていて、取れそうな状態にある
赤ちゃんは口呼吸が苦手なため、鼻が詰まると授乳や睡眠に支障をきたすことがあります。こうしたサインが見られたときは、やさしくケアしてあげましょう。
2. 赤ちゃんの鼻くそが白い・臭いのはなぜ?

鼻くその色やにおいは、鼻の中の状態を知る手がかりになります。「白い塊が出てきた」「なんか臭う気がする」と感じたとき、何が原因なのかを知っておくと安心です。
1)白い鼻くその正体
白っぽい鼻くそは、乾燥した鼻水・ほこり・空気中のごみが鼻の粘膜に付着して固まったものがほとんどです。これは自然な現象であり、基本的に心配いりません。
部屋の乾燥が強い季節や、暖房をよく使う冬場には鼻くそがたまりやすくなります。加湿器などで室内の湿度を50〜60%程度に保つことで、鼻の中が潤いを保ちやすくなり、鼻くそがたまりにくくなります。
一方、黄色や緑色の鼻くそが続く場合は、鼻水に細菌が混じっているサインである可能性があります。風邪や副鼻腔炎が疑われるため、小児科や耳鼻科への受診を検討してください。
2)においが気になるときに考えられる原因
鼻から臭いにおいがする場合、いくつかの原因が考えられます。最も注意が必要なのは、鼻の中に異物が入り込んでいるケースです。おもちゃの小さなパーツや豆など、赤ちゃんが気づかないうちに鼻に入れてしまうことがあり、それが腐敗してにおいを発することがあります。
特に「片方の鼻だけ臭う」「鼻水が片側だけ出る」という場合は、異物の混入が疑われます。このような場合は自己処置をせず、すぐに耳鼻科を受診してください1)。また、鼻くそが長期間奥に溜まっていることでにおいが生じることもあります。
関連記事
3.赤ちゃんの鼻くその正しい取り方

赤ちゃんの鼻の粘膜はとてもデリケートで、少しの刺激で出血したり傷ついたりすることがあります。取り方を誤るとかえって悪化させてしまう場合もあるため、道具の選び方と正しい使い方を知っておきましょう。
1)綿棒を使った取り方
最もよく使われる方法が、赤ちゃん用の細い綿棒を使ったケアです。一般的な大人用の綿棒は太すぎて鼻を傷つける恐れがあるため、必ず赤ちゃん専用のものを使いましょう。
綿棒の先を清潔な水や生理食塩水で軽く湿らせると、鼻の粘膜への摩擦が減り、鼻くそが取れやすくなります。鼻の入り口から見える範囲のものを、やさしくなでるように取り除くのが基本です。
最も大切な注意点は、奥まで無理に入れないことです。鼻の奥には繊細な粘膜や血管が集中しており、綿棒を深く入れると出血や傷の原因になります。見えている範囲だけをケアする、と覚えておいてください。
2)ピンセットを使う際の注意点
固まった鼻くそをつまんで取り出したいときには、先端が丸く加工されたベビー用ピンセットが便利です。ただし、先端が尖ったものは粘膜を傷つける危険があるため、必ずベビー専用のものを選びましょう。
ピンセットを使う際に最も重要なのは、赤ちゃんが落ち着いているタイミングで行うことです。赤ちゃんが突然動いたり暴れたりすると、鼻を傷つけてしまう危険が高まります。授乳後のうとうとしているときや、もう一人の大人に体を支えてもらいながら行うと安心です。視界が確保できる明るい場所で、処置しましょう。
4.鼻の奥に入った鼻くそが取れないときの対処法

綿棒やピンセットが届かないほど奥に鼻くそが入り込んでしまった場合、無理に取ろうとすると鼻の粘膜を傷つける危険があります。焦らず、まずは家庭でできる方法を試してみましょう。
1)無理に取らず様子を見てよい場合
奥に入った鼻くそは、鼻水が出るタイミングや、くしゃみとともに自然に排出されることが多くあります。赤ちゃんが苦しそうにしていなければ、以下の方法で様子を見ましょう。
・鼻吸い器(ハンディタイプや電動タイプ)で鼻水ごと吸引する
・入浴中や加湿器のある部屋で過ごし、蒸気で鼻くそを柔らかくする
・生理食塩水スプレー(市販のベビー用)を使って鼻腔を保湿する
「鼻の中のごみを絶対に全部取らなければ」と力を入れすぎる必要はありません。鼻吸い器と保湿を組み合わせることで、自然に排出されるのを助けることができます。
2)耳鼻科・小児科への相談を検討するタイミング
次のような場合は、自宅での対処にこだわらず、耳鼻科や小児科に相談すること2)をおすすめします。
・鼻づまりがひどくて呼吸が苦しそう
・授乳がうまくできない
・ぐずりが続く など
これらの症状は、専門的な吸引処置が必要なことがあります。また、片方の鼻だけから強い臭いがする・鼻水が片側だけ出るといった場合は、異物が入り込んでいる可能性があるため、すみやかに耳鼻科を受診してください。
「自分でなんとかしなければ」と思わず、少しでも不安に感じたらプロに頼るという判断が、赤ちゃんの鼻を守ることにつながります。
まとめ:赤ちゃんの鼻くそは、無理をせず正しい方法でやさしくケアすることが大切
赤ちゃんの鼻くそは、呼吸や授乳に影響がない少量であれば無理に取る必要はありません。白い鼻くそは乾燥した鼻水などが固まった自然なものがほとんどですが、においが強い・片側だけ臭うといった場合は受診の目安になります。
取る際は赤ちゃん用の綿棒やベビー用ピンセットを使い、見える範囲だけをやさしくケアするのが基本です。奥に入って取れない場合は、鼻吸い器や保湿で自然な排出を促しましょう。それでも鼻づまりが続く・臭いが気になるといったときは、ひとりで悩まず耳鼻科や小児科に相談してください。
安心・安全に出産を迎えるために、個別栄養相談、助産師外来、母親学級、マタニティビクスなど多種多様なメニューを設けております。

詳しくはこちら
ガーデンヒルズウィメンズクリニック 各種教室の案内
参考文献・参考サイト
1) MSDマニュアル家庭版 19. 耳、鼻、のどの病気 :鼻中隔穿孔
2)耳鼻臨床 :新 生 児 ・乳 児 の 鼻 閉
この記事の監修
牛丸敬祥 医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

経歴
- 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
- 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
- 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
- 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
- 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
- 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
- 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。
