赤ちゃんの鼻水どうすればいい?色でわかる原因・鼻吸引のコツ・受診の目安を解説【医師監修】
- 2026年8月15日
- 更新日: 2026年8月12日
- 医療コラム

まだ自分で鼻をかめない赤ちゃんは、鼻水が出ると苦しそうにしたり、夜なかなか寝てくれなかったりと、見ているママやパパも心配になりますよね。
この記事では、赤ちゃんの鼻水の色からわかる体のサインや、おうちでできる鼻吸引のコツ、受診の目安まで、わかりやすくお伝えします。
1. 赤ちゃんの鼻水の色でわかること

鼻水の色は、赤ちゃんの体の状態を知る大切な手がかりです。色ごとに考えられる原因と、気をつけたいポイントを見ていきましょう。
1) 透明でサラサラの鼻水は心配が少ないサイン
透明でサラサラとした鼻水は、比較的心配の少ないケースがほとんどです。
風邪のひきはじめや、気温・湿度の急な変化、ほこりや花粉などの軽い刺激に対して、鼻の粘膜が反応して分泌液を増やすことで起こります。たとえば、冬の寒い外から温かい室内に入ったときや、朝起きた直後に鼻水がサラサラと出ることがありますが、これは鼻が正常に機能しているサインのひとつです。
機嫌がよく、母乳やミルクをしっかり飲めているなら、まずは様子を見てよいでしょう。ただし、透明な鼻水でも量が多くてなかなか止まらない場合や、くしゃみを繰り返す場合は、アレルギーの可能性も考えられるため、持続するときははかかりつけ医に相談してみてください1)。
2) 黄色や緑色の鼻水が出たときに考えられること
鼻水の色が変わるのは、免疫細胞(好中球など)がウイルスや細菌と戦って死滅したあとのものが混じるためです。つまり、黄色や緑色の鼻水は「体がしっかり戦っている証拠」ともいえます。ただし、以下のような点には注意が必要です。
✔黄色・緑色の鼻水が1週間以上続いている
✔鼻水の量がとても多く、鼻が完全に詰まっている
✔発熱や咳などほかの症状も伴っている
こうした場合は、細菌性の副鼻腔炎(蓄膿症)に進行している可能性もあります。副鼻腔炎は、鼻の奥の空洞に細菌が繁殖することで起こり、適切な治療が必要になる場合があります。色の変化があったときは、症状の経過をよく観察し、長引くようであれば早めに病院を受診することが大切です。
2. おうちでできる赤ちゃんの鼻吸引のコツ

鼻づまりで苦しそうにしている赤ちゃんを見ていると、何かしてあげたくなりますよね。そんなときに役立つのが「鼻吸引」です。安全に上手に行うためのポイントを紹介しましょう。
1)鼻吸引はいつから始めていい?
「新生児から吸引してもいいの?」と迷うママは多いですが、鼻吸引は月齢に関係なく、鼻づまりで苦しそうなときに活用できます。 生まれたばかりの新生児でも、適切なケアとして行うことができます2)。
市販の鼻吸引器(スポイドタイプ・電動タイプなど)はどれも安全に使えるよう設計されていますが、いくつかの点に気をつけましょう。
まず、力の加減が大切です。 強く吸いすぎると鼻の粘膜を傷つけることがあるため、スポイドタイプは「スポッ」と軽く吸う程度にとどめましょう。電動タイプは吸引力が調整できるものを選ぶと安心です。また、鼻の穴の中に深く差し込みすぎないようにすることも重要です。鼻の入口あたりにそっと当て、鼻水をやさしく吸い取るイメージで行いましょう。
2)赤ちゃんが嫌がる・暴れるときの対処法
鼻吸引を嫌がって暴れてしまい、なかなかうまくいかない…そんな悩みはとてもです。
まずは、タイミングを工夫することが重要です。
お風呂上がりは蒸気で鼻の中が湿り、鼻水がやわらかくなっているため最も吸引しやすいタイミングです。また、授乳の直前は赤ちゃんが空腹でぐずりやすいため、授乳後の落ち着いた時間に行うのもよいでしょう。
体勢の工夫も効果的です。 仰向けに寝かせた状態で、パパ・ママが赤ちゃんの頭を両ひざで軽く固定しながら行うと安定します。ひとりで難しければ、もうひとりが体をやさしく押さえてあげると安心です。
さらに、できるだけ短時間で手早く済ませることを意識しましょう。 片方の鼻に5~10秒程度を目安に、もたもたせずテキパキと行うことで、赤ちゃんの負担が減ります。終わったらたくさんほめてあげることで、少しずつ慣れていきますよ。
3)鼻吸引の頻度はどのくらいが適切?
「1日に何回までやっていいの?」という疑問はよく聞かれます。鼻吸引の頻度に厳密な決まりはありませんが、「苦しそうなタイミングで行う」という考え方が基本です。ただし、やりすぎには注意が必要です。
鼻の粘膜はとてもデリケートで、頻繁に刺激を与えると傷ついたり、かえって分泌物が増えたりすることがあります。目安としては1日3〜4回程度を上限に考え、必要なときだけ行うようにしましょう。鼻水が少なく赤ちゃんが苦しそうでないときは、無理に吸引する必要はありません。
4)鼻水で寝られないときのケアのポイント
鼻が詰まっていると、赤ちゃんは呼吸しにくく、夜なかなか眠れないことがあります。そんなときに試してほしいケアをいくつか紹介します。
就寝前の鼻吸引が最も効果的です。 寝かしつける直前に鼻水を吸い取っておくと、横になったときの鼻づまりが和らぎ、眠りにつきやすくなります。
加湿も大切なケアのひとつです。 乾燥した空気は鼻の粘膜を刺激し、鼻水や鼻づまりをひどくさせます。加湿器を使って部屋の湿度を50〜60%程度に保つことで、鼻の通りが楽になります。
また、上体を少し高くして寝かせる工夫も有効です。折りたたんだバスタオルを布団の下に敷き、頭から肩にかけてなだらかに傾斜をつけることで、鼻水が喉に流れにくくなります。ただし、赤ちゃんが転がり落ちないよう、安全に注意しながら行いましょう。急に傾けすぎず、あくまでも「ほんの少し高くする」程度にとどめることが大切です。
3. 病院を受診する目安と注意したいサイン

おうちでのケアで症状が落ち着くことも多いですが、なかには早めに受診が必要なケースもあります。様子を見てよい場合と、病院に行くべき場合の見極め方をおさえましょう。
1)こんなときは病院を受診しましょう
特に生後3か月未満の赤ちゃんは免疫機能が未熟なため、少しでも気になる症状があれば、早めに受診することを心がけましょう。
【鼻水が治らない】
透明な鼻水が10日以上続く、または黄色・緑色の鼻水が1週間以上続く
【発熱がある】
生後3か月未満で38℃以上、それ以上の月齢でも高熱が続く場合
【咳を伴う】
咳がひどくて眠れない、ゼーゼー・ヒューヒューという音がする
【母乳・ミルクの飲みが悪い】
鼻が詰まって飲めない、飲む量が明らかに減っている
【呼吸が苦しそう】
鼻をヒクヒクさせる、肩で呼吸している、唇や顔色が悪い
【耳を気にする】
耳を触ったり引っ張ったりする(中耳炎のサインの可能性)
2)病院ではどんな対応・薬が使われる?
病院を受診すると、まず鼻の状態や喉・耳の診察が行われます。必要に応じて、鼻水の吸引処置を院内で行ってもらえることもあります。クリニックによっては専用の機器で丁寧に吸引してくれるため、「おうちでうまくできない」というときも受診のよい機会になります。
処方される薬としては、症状に応じて以下のようなものが使われます。
去痰薬(きょたんやく):鼻水や痰をやわらかくして出やすくする薬
抗ヒスタミン薬:鼻水・鼻づまりを抑える薬(月齢によって使えるものが異なります)
抗菌薬(抗生物質):細菌感染が疑われる場合に処方されます
ここで大切なのは、自己判断で市販薬を使わないことです。 市販の鼻炎薬や風邪薬の多くは、乳幼児への安全性が確認されていないものも含まれています。必ず医師の診察を受けたうえで、指示に従って薬を使うようにしましょう。
まとめ:赤ちゃんの鼻水は色とサインを見て落ち着いて対応を
赤ちゃんの鼻水は、透明ならば様子を見てよいことが多く、黄色や緑色のときは体がウイルス・細菌と戦っているサインです。鼻づまりで苦しそう・寝られないときは、タイミングやコツを工夫しながら鼻吸引でケアしてあげましょう。嫌がったり暴れたりしても、お風呂上がりや体勢の工夫で少し楽になることがあります。
ただし、鼻水が治らない・咳や発熱を伴う・飲みが悪いといったサインが見られたときは、早めに病院を受診することが大切です。赤ちゃんの色や様子をよく観察しながら、ひとりで抱え込まず、気になることはかかりつけ医に相談してみてください。
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参考文献・参考サイト
1)日本医師会:白クマ先生の子ども診療所「鼻水、鼻詰まり」
2)一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:子どものみみ・はな・のどの病気
この記事の監修
牛丸敬祥 医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

経歴
- 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
- 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
- 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
- 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
- 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
- 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
- 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。
