生理痛がひどい・経血が多い…それ、子宮筋腫かも?症状チェックと治療の選択肢まとめ【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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生理痛がひどい・経血が多い…それ、子宮筋腫かも?症状チェックと治療の選択肢まとめ【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

生理痛がひどい・経血が多い…それ、子宮筋腫かも?症状チェックと治療の選択肢まとめ【医師監修】

 

「子宮筋腫と言われたけれど、どんな病気なのかよくわからない」「手術が必要と聞いて不安になっている」そんな思いを抱えている方は決して少なくありません。子宮筋腫は30〜40代の女性に多く見られる良性の腫瘍であり、珍しい病気ではありません。

このコラムでは、子宮筋腫の原因・症状・治療の選択肢まで、正しい情報をわかりやすく解説します。

 

 

1. 子宮筋腫とは?原因と発生しやすい場所

 

「子宮筋腫」という言葉は聞いたことがあっても、どんなものなのか、なぜできるのかまで知っている方は意外と少ないかもしれません。正しく理解することで、必要以上に恐れず、でも適切に向き合えるようになります。まずは基本的な知識から見ていきましょう。

 

1) なぜ子宮筋腫ができるの?原因とリスク

子宮筋腫は、子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍です1)。悪性(がん)ではありませんが、症状の程度によっては日常生活に大きな影響を与えることがあります。

明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが筋腫の発育に深く関わっていることはわかっています。エストロゲンの影響を受けて筋腫は成長し、閉経後にエストロゲンが減少すると自然に縮小していくことが多いのも、そのためです。

 

リスク因子としては、次のようなことが挙げられます。

・肥満(脂肪組織でもエストロゲンが産生されるため)
・初経(初潮)が早かった
・出産経験がない、または少ない
・家族に子宮筋腫の既往がある

これらに当てはまるからといって必ず筋腫ができるわけではありませんが、リスクについて知っておくことは大切です。

 

2) できる場所によって症状が変わる!筋腫の種類と大きさ

子宮筋腫は、発生する場所によって大きく3つの種類に分類されます。同じ「子宮筋腫」でも、どこにできるかによって症状の重さや治療方針が大きく変わります。

 

種類

発生する場所

特徴

粘膜下筋腫

子宮の内腔側(内側)

小さくても経血が増えやすく、不正出血も起こりやすい

筋層内筋腫

子宮の筋肉の中

最も多いタイプ。大きくなると月経痛や腹部の張りが生じやすい

漿膜下筋腫

子宮の外側(腹腔側)

外側に向かって成長するため、自覚症状が出にくいことも多い

 

 

2. こんな症状はサイン!子宮筋腫に気づくための知識

 

「生理痛がひどいのは体質だから」「経血が多いのは昔からだし」そう思って長年我慢してきた方の中に、実は子宮筋腫が隠れていたというケースは少なくありません。どんな症状が子宮筋腫のサインになるのか、知っておくことが早期発見につながります。

 

1) 経血が多い・生理が長い…月経困難症との深い関係

子宮筋腫の最も代表的な症状のひとつが、経血量の増加です。特に粘膜下筋腫は子宮の内側にできるため、小さくても出血量が増えやすく、ナプキンを頻繁に交換しなければならないほどの過多月経につながることがあります。生理が長引く(過長月経)ことも起こりやすく、慢性的な貧血の原因になる場合もあります。

 

 

 

また、子宮筋腫は月経困難症と深く関わっています。月経困難症とは、月経に伴う痛みや不快感が強く、日常生活に支障をきたす状態を指します。「生理痛がひどくて仕事を休んだことがある」「鎮痛剤が手放せない」という場合は、子宮筋腫が関係している可能性があるため、一度婦人科を受診することをお勧めします。

 

 

 

2) 生理以外にも出る症状—下腹部痛・頻尿・腰痛

子宮筋腫の症状は、生理のときだけとは限りません。筋腫が大きくなると、周囲にある膀胱や直腸などの臓器を圧迫し、さまざまな不調が現れることがあります。

代表的なものとして、頻尿・残尿感(膀胱への圧迫)、便秘(直腸への圧迫)、下腹部の張り・痛み、腰痛などが挙げられます2)。これらは泌尿器科や整形外科の症状と似ているため、「まさか婦人科系の原因とは思わなかった」というケースも珍しくありません。

 

3) 自覚症状がない場合も!検査で初めてわかることが多い

実は、子宮筋腫があってもまったく自覚症状がないというケースも少なくありません。特に漿膜下筋腫は外側に向かって成長するため、かなり大きくなるまで症状を感じないことがあります。
健康診断の超音波検査や、妊娠を機に婦人科を受診した際に初めて筋腫が見つかったという方は多くいます。「症状がないから大丈夫」とは言い切れないのが子宮筋腫の難しいところです。
だからこそ、症状の有無にかかわらず、定期的な婦人科検診が大切です。早期に発見できれば、治療の選択肢も広がります。

 

 

3. 治療はどう選ぶ?症状・大きさ・ライフステージで変わる選択肢

 

「筋腫があると言われたら、すぐ手術しなければいけないの?」そう思って不安になっている方もいるかもしれませんが、答えは「必ずしもそうではない」です。子宮筋腫の治療は、症状の重さ・筋腫の大きさ・年齢・妊娠希望の有無などを総合的に判断して決めていきます。どんな選択肢があるのか、一緒に確認していきましょう。

 

1) すぐに手術しなくていい?経過観察という選択肢

症状が軽く、筋腫の大きさが小さい場合は、すぐに治療を行わず定期的な超音波検査で経過を観察する方針が選ばれることがあります。これは「放置」とは異なり、医師の管理のもとで状態を注意深く見守ることです。

特に、閉経が近い年齢の方は、更年期を迎えてエストロゲンが自然に減少すると、筋腫が縮小していくことが期待できます。「閉経まであと数年」という状況であれば、無理に手術せず経過観察を選ぶことも合理的な判断です。3〜12か月ごとの定期検診を続けながら、変化があれば治療方針を見直していきます。

 

2) 薬で症状を和らげる—ホルモン療法の種類と効果

手術を行わずに薬で症状をコントロールする方法もあります。主なものとして以下の3つが挙げられます。

【低用量ピル・黄体ホルモン製剤】 
月経量の減少や月経痛の緩和に効果的。筋腫自体を縮小させる効果はないが、症状を和らげるために用いられる

【GnRHアゴニスト(偽閉経療法)】 
エストロゲンの分泌を一時的に抑制し、筋腫を縮小させる効果がある。ただし骨密度の低下などの副作用があるため、使用期間に制限がある(通常6か月以内)

【ジエノゲスト(黄体ホルモン製剤)】
子宮内膜症にも使われ、月経困難症の改善に効果が期待できる

 

重要なのは、薬で筋腫そのものが消えるわけではないという点です。薬は症状のコントロールや手術前の準備として用いるもので、根本的な治療には手術が必要になる場合があります。

 

3) 手術が必要なのはどんなとき?術式と入院期間の目安

次のような場合には、手術が検討されます。症状が強く薬でのコントロールが難しい、筋腫が大きく周囲の臓器を圧迫している、貧血が慢性化している、妊娠への影響が懸念されるといったケースが該当します。主な術式は2種類あります3)

 

筋腫核出術

筋腫核出術(子宮を残す手術)は、筋腫だけを取り除き子宮を温存する方法です。将来の妊娠を希望する方や、子宮を残したい方に選ばれます。開腹・腹腔鏡・子宮鏡(粘膜下筋腫の場合)など、筋腫の位置や大きさによってアプローチが異なります。入院期間の目安は術式によって異なりますが、腹腔鏡手術では3〜5日程度、開腹手術では7〜10日程度です。

 

子宮全摘術

子宮全摘術は子宮ごと摘出する方法で、再発の心配がなく根本的な治療となります。妊娠を希望しない方や、症状が重く他の方法では対処が難しい場合に選ばれます。入院期間は開腹手術で7〜14日程度、腹腔鏡手術では5〜7日程度が目安です。

 

4) 手術後の生活は?後遺症や再発について知っておこう

手術後の回復期間は術式によって異なりますが、腹腔鏡手術では2〜4週間、開腹手術では4〜6週間程度で日常生活に戻れることが多いです。仕事復帰の時期は職種や体の状態によって個人差があるため、担当医と相談しながら決めていきます。

後遺症については正直にお伝えすると、手術の種類によって気をつけるべき点が異なります。子宮全摘術では、術後は当然ながら妊娠できなくなります。また卵巣を残した場合でも、手術の影響で更年期症状が早まることがあります。一方で月経がなくなることで、生理に伴う症状から解放されるという面もあります。

筋腫核出術では子宮を残すため妊娠の可能性はありますが、筋腫が再発する可能性があります。再発率は術後5年で約20〜30%とされており、定期的な経過観察が引き続き大切です。いずれの術式も、不安なことは手術前に主治医に十分確認しておくことが大切です。

 

 

4. 妊娠・妊活中の方へ:子宮筋腫と妊娠の関係

 

妊活中や妊娠中に筋腫を指摘された方が、最も気になることのひとつがこの疑問ではないでしょうか。
子宮筋腫があっても、妊娠・出産できるケースは多くあります。ただし、筋腫の種類・位置・大きさによっては、着床を妨げたり、流産のリスクが高まったりする可能性があることも事実です。特に子宮内腔に突出する粘膜下筋腫は、着床や胎盤の形成に影響しやすいとされています。

妊活中に筋腫が見つかった場合、すぐに手術が必要かどうかは筋腫の状態によって異なります。小さく症状がなければ妊活を続けながら経過を見ることもありますが、影響が懸念される場合は妊娠前に筋腫核出術を行うことが勧められることもあります。

妊娠中に筋腫が大きくなることもあり、その場合は筋腫による腹痛(赤色変性)が起こることがあります。痛みがあれば安静や鎮痛剤での対応となりますが、多くは出産まで管理しながら経過を見ていきます。分娩方法については筋腫の位置によって帝王切開が選択されるケースもあります。

筋腫があるからといって妊娠・出産を諦める必要はありません。大切なのは正確な情報をもとに専門医と相談し、自分に合った方針を決めていくことです。

 

 

まとめ:一人で抱え込まず、まず婦人科に相談を

子宮筋腫は、症状の重さ・筋腫の大きさ・年齢・妊娠希望の有無によって、治療方針がまったく異なります。「手術=怖いからなるべく避けたい」「放置しても大丈夫だろう」と自己判断せず、まずは婦人科で検査を受けて現状を正確に把握することが、最初の大切な一歩です。

経過観察・薬・手術と選択肢は複数あり、あなたの状況に合った方法を一緒に考えてくれる専門家がいます。ひとりで抱え込まず、気になる症状があれば早めに婦人科へ相談してください。

 

 

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参考文献・参考サイト
1) 看護roo!:子宮筋腫
2) MSDマニュアルプロフェッショナル版:子宮筋腫
3) 女性の健康推進室:子宮筋腫

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。