妊娠中期の妊婦健診ガイド:頻度や内容、受診時のポイントを解説【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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妊娠中期の妊婦健診ガイド:頻度や内容、受診時のポイントを解説【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

妊娠中期の妊婦健診ガイド:頻度や内容、受診時のポイントを解説【医師監修】

 

妊娠中期は「安定期」と呼ばれ、多くの方はつわりが落ち着き過ごしやすくなる時期です。一方で、赤ちゃんの発育が急速に進み、ママの体にも様々な変化が現れ始めます。この時期の妊婦健診では、赤ちゃんの成長確認と妊娠経過の異常早期発見が重要になります。

ここでは、妊娠中期健診の頻度・内容・受診時の工夫について、わかりやすく解説します。

 

 

1. 妊娠中期の妊婦健診とは(いつからいつまで・目的)

 

妊娠中期は、一般的に妊娠16〜27週ごろを指し、いわゆる「安定期」と呼ばれる時期です1)。つわりが落ち着き、体調が安定しやすくなる方が多いため、日常生活を少しずつ楽しめるようになります。外出の機会が増えたり、ご家族と出産について話し合ったりと、気持ちが前向きになりやすいタイミングでもあります。

一方で、この頃は赤ちゃんの発育が一気に進み、ママの体でも血液量が増え、心臓や腎臓などへの負担が大きくなる時期です。その結果として、貧血、血圧の変化、血糖値の異常などが現れ始めることがあります。
そのため、妊娠中期の妊婦健診の目的は、
• 赤ちゃんの成長や発育の様子を確認する
• 妊娠の経過に影響する病気の芽(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、貧血など)を早めに見つける
• 仕事や家事、体重管理、休息の取り方など、生活の整え方をより具体的にしていく
といった点にあります。
「赤ちゃんとママの両方の健康を、トータルで見守る時期」と考えるとイメージしやすいでしょう。

 

 

2. 妊娠中期の妊婦健診の頻度はどれくらい?

 

妊娠中期の健診を受ける頻度は、一般的に妊娠23週までは「4週に1回」、24週~は「2週に1回」、が目安とされています。。
これは、母子の状態が安定していることを前提としたスケジュールです。もし血圧が少し高めであったり、尿蛋白が出やすかったり、あるいは貧血の症状が強く出ている場合には、より慎重な経過観察が必要になります。また、前回の検査結果で再確認が必要な項目があった際にも、次回の受診を早めるように指示されるケースがあるでしょう。

こうした受診間隔の調整は、「異常を早期に発見すること」と、ママの「通院負担」のバランスを考慮して決定されています。体調が良いからといって自己判断で間隔を空けてしまうと、予期せぬトラブルの発見が遅れるリスクが生じます2)。医師の指示に沿って、決められたスケジュールで通院することを心がけましょう。

 

 

3. 妊娠中期健診の内容:毎回行うことと、週数で増えること

 

妊娠中期の健診内容は、大きく「毎回の基本チェック」と「週数に応じた追加検査」に分かれます。

毎回行われる基本チェックでは、ママの体重・血圧・むくみの状態が確認されます。尿検査も毎回実施され、尿蛋白や尿糖の有無をチェックすることで、妊娠高血圧症候群につながるサインや、腎臓・尿路のトラブル、脱水傾向などを見守ります。これらのシンプルな検査が、大切な異常発見の手がかりになるのです。
同時に、赤ちゃんの心拍確認や推定体重、羊水量なども超音波で評価し、週数相当の発育かどうかが確認されます。

週数が進むにつれて、検査内容は増えていく傾向にあります。赤ちゃんのからだの構造を詳しく見る機会が増えたり、貧血をチェックするための採血が入ったり、血糖検査(妊娠糖尿病のスクリーニング)が追加されることもあるからです。そのため、スタッフから次回の健診の内容を聞くと、「今回はいつもより時間がかかるんだ」「今日は採血があるんだ」といった見通しを持つことができ、通院時の不安が減るでしょう。

 

 

4. 妊娠中期に行う主な検査と、健診の項目の見方

 

妊娠中期の検査は、赤ちゃんの発育評価だけが目的ではありません。ママの体の変化を数値で把握することが、同じくらい重要です。
採血検査では、妊娠中に起こりやすい貧血の程度を確認します。その結果に基づいて、鉄剤の処方内容を調整したり、食事面でのアドバイスを受けたりできます。施設によっては、この時期に血糖の検査(妊娠糖尿病のスクリーニング)を行い、必要に応じて追加の負荷試験や食事・運動指導を検討することもあります3)
健診票や結果用紙を見ると、様々な項目が並んでいて圧倒されるかもしれません。ですが、基本的には「血圧」「尿蛋白・尿糖」「体重増加」「血液検査(貧血など)」「超音波検査(赤ちゃんの発育・羊水量・胎盤の状態)」という5つの柱に集約されます。

 

主な健診項目

目的

血圧

妊娠高血圧症候群の兆候をキャッチ

尿検査

尿蛋白・尿糖から腎臓や血糖異常をチェック

体重

妊娠中毒や栄養状態のバランスを確認

採血

貧血、血糖、感染症などを検査

超音波

赤ちゃんの発育、羊水、胎盤の状態を評価

 

数値の意味がよくわからないまま、不安を抱え続けるのはストレスになります。気になる項目については、診察時に遠慮なく質問しましょう。「この数値は何を意味しているのか」「今の私の注意点は何か」を医師と一緒に整理することで、安心感が生まれます。

 

 

5. 超音波(エコー)で妊娠中期に確認するポイント

 

妊娠中期の超音波検査は、ママにとって赤ちゃんの姿を視覚的に確認できる最も楽しみな時間の一つでしょう。この時期のエコーでは、赤ちゃんの大きさが週数に合っているかという「発育の評価」に加え、胎盤が付いている位置や、赤ちゃんを包む羊水の量、子宮頸管(子宮の出口)の長さなどが詳細にチェックされます。

さらに、妊娠中期(特に20週前後)は赤ちゃんの体の各パーツがはっきりと見えやすい絶好の時期です。そのため、施設によっては通常のエコーよりも時間をかけ、心臓の部屋の分かれ方、唇の形、手足の指、各内臓の位置などを丁寧に観察する「胎児スクリーニング」が実施されることもあります。
エコー検査は単に「現時点で異常があるかないか」を断定するだけのものではありません。前回の結果と今回を比較して、「順調に成長曲線を描いているか」という経過を見ることに大きな意義があります。前回見えていた部分と違う場所を重点的に見ていることがあっても、それは成長段階に合わせて確認すべき優先順位が変わっているからですので、自然なことと捉えてください。

 

 

6.  妊娠中期健診の服装:診察がスムーズで冷えにくい選び方

 

妊婦健診では、腹部エコーや内診、採尿といった多くの検査が行われるため、着替えやすい服装を選ぶことが受診をスムーズにします。
基本的には、上下が分かれたゆったりしたデザインか、ウエストが締め付けないタイプを心がけましょう。ボタンやジッパーがシンプルな服を選ぶと、検査着への着替えもスムーズです。

ワンピースを着用する場合は、腹部を出しやすい利点がある一方で、下半身が冷えやすいという課題があります。季節によっては、レギンスや長めの羽織を組み合わせることで、体温調整が容易になります。靴についても、脱ぎ履きしやすいタイプを選ぶと、採尿検査や移動が多い健診日のストレスが軽減されます。
健診日の服装選びに迷ったときは、「お腹を出しやすいか」「身体を締め付けていないか」「体温調整ができるか」の3点を基準にすると判断しやすくなります。

 

 

まとめ:妊娠中期の健診は、順調さを確認しつつ、変化を早めにキャッチする大事な時間です

妊娠中期は、体調が安定しやすく、おなかの赤ちゃんの成長を実感しやすい一方で、貧血や血圧・血糖の変化など、体の中では大きな変化が進む時期です。妊婦健診では、基本の通院の中で、体重や血圧、尿検査、採血、超音波などの項目を通し、赤ちゃんの発育とママの健康状態の両方を丁寧に確認していきます。

結果の数値が気になるときや服装・生活について不安があるときは、一人で悩まず、医師や助産師に遠慮なく相談してください。そして健診を上手に活用していきましょう。

 

 

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参考文献・参考サイト
1)公益財団法人日本助産師会:妊娠中の標準的な健康教育「1-12:安定期の過ごし方」
2)看護roo!:周産期ケアマニュアル「妊娠中期の検診」
3)厚生労働省:妊婦検診Q&A

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。