産後の生理はいつから?再開の時期や生理不順、授乳別の違い【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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産後の生理はいつから?再開の時期や生理不順、授乳別の違い【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

産後の生理はいつから?再開の時期や生理不順、授乳別の違い【医師監修】

 

産後の生活が落ち着くと「生理はいつ再開するんだろう?」と気になってくる人も多いでしょう。生理にはホルモンだけでなく、産後の体調や生活習慣も関係しているため、再開の時期は個人差が大きく、一概にこの時期とはいえません。

この記事では産後の生理についてまとめています。再開が早い人、遅い人の特徴を知ることで、生理再開に向けて心の準備をしていきましょう。

 

 

1. 産後の生理再開はいつから?早い人・遅い人の違い

 

生理には女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌が重要です。この2つのホルモンの分泌の変動によって、排卵や生理が起こります。

しかしこの2つのホルモンは妊娠を維持するために妊娠中ずっと分泌し続け、産後に一気に分泌量が低下します。そして産後3~6カ月かけて徐々にホルモンが分泌していくのです。

このことから産後の生理再開時期は、産後3カ月~1年が多いといわれています。再開時期に大きく差があるのは、ホルモン以外にも母乳育児や産後の生活スタイルの違いなどが関係しているからです。生理再開には個人差があるため、産後1年経つのに再開しないと不安にならなくても大丈夫ですよ。

ここからは生理再開に深く関係している授乳スタイル別に解説していきます。

 

1) 完全母乳育児【完母】

母乳を作るのに大切なホルモンは「プロラクチン」です。実はプロラクチンには排卵を抑制する働きがあり、授乳をしているママは生理が再開しにくいという特徴があります1)

完全母乳で育児をしているママは、生理の再開には平均で5~7カ月以上の期間がかかることが多いです。しかし母乳育児を続けている間はプロラクチンは欠かせないため、毎月安定して生理がくるのは卒乳後3カ月ともいわれています。

 

2) 完全人工栄養(ミルク)育児【完ミ】

完全ミルク育児をしているママはプロラクチンの影響を受けないため、産後2~3カ月の早い段階で生理が再開するケースが多いでしょう。

しかし生理に関する女性ホルモンは、ちょっとした体の変化に影響を受けがちです。夜間授乳で睡眠不足だったり、慣れない育児で疲れやストレスが溜まった状態では、正常なホルモンバランスに戻ることがむずかしいこともあります。

完全ミルク育児のママは生理再開が早い傾向にあるとはいえ、生活スタイルや体調は人それぞれ。産後3カ月経つのに生理が再開しなくても、気長に再開を待ちましょう。

 

3) 混合栄養【混合】

混合育児では、完母ほどプロラクチンの影響を受けないとはいえ、完ミのママよりは生理再開が遅いといえるでしょう。

赤ちゃんにあげる母乳の量や回数によっても、再開時期に違いが出てきます。

 

 

2. 産後の生理不順や生理の特徴

 

産後はエストロゲン・プロゲステロンのバランスが安定せず、また排卵を抑制するプロラクチンの分泌によって、生理サイクルがすぐには安定しません。生理が再開したと思ったら次の生理まで間隔が空いてしまったり、何度か生理がきても周期がバラバラだったりすることもあるでしょう。

そして経血の量も、妊娠前と変化を感じる人がいるかもしれません。「量が多いな」「生理が重いな」と感じたり、反対に「経血が少ない」「生理が軽い気がする」と感じる人もいます。これらはほとんど一時的なもので、何度か生理がくるうちに元に戻ることが多いです。

生理が安定しないと心配になりますが、これは産後の体が回復している正常な過程の一つ。焦らずに、ゆっくりと生理が安定するのを待ちましょう。

 

 

3. 産後の生理再開時の注意点

 

完ミや混合育児のママは生理の再開が早い傾向がありますが、生理が再開したと思っても実は「悪露(おろ)」だったということがあります。悪露は不要になった子宮内膜や血液、分泌物などが排出されたもので、子宮を元の状態に戻そうとしている産後の回復過程の一つです。産後6週間ほどで治まるでしょう。

授乳の量や回数によっては生理の再開が遅いこともありますが、授乳中であれば心配せずに気長に生理再開を待ちましょう。生理が再開しても、すぐには周期や量は安定しません。ほとんどは様子をみて問題ありませんが、不安なことがあれば産婦人科で相談しましょう。

 

 

 

まとめ:産後の生理再開は個人差が大きい。気長に生理再開を待とう!

同じ時期に出産をしたママが「生理が再開した」という話を聞くと、「自分はいつ生理が再開するのだろう?」と心配になってしまうママもいるでしょう。特に次の妊娠を希望していると、早めに生理が再開してほしいと焦る気持ちになるかもしれません。

生理に関連する女性ホルモンはとてもデリケート。授乳だけでなくママの焦りやストレスも感じとって、ホルモンバランスが安定しないこともああります。気持ちをゆったり持って育児を楽しみながら、気長に生理再開を待ちましょう。

 

 

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参考文献・参考サイト
1)看護roo プロラクチン

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。