赤ちゃんの無呼吸って何?知っておきたい原因と対処法【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

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赤ちゃんの無呼吸って何?知っておきたい原因と対処法【医師監修】|ガーデンヒルズウィメンズクリニック|福岡市中央区の産婦人科

赤ちゃんの無呼吸って何?知っておきたい原因と対処法【医師監修】

 

赤ちゃんが穏やかに呼吸をしていたのに、急に呼吸をしなくなる「無呼吸」の状態が続くと、ママはビックリしてしまいますよね。実は短時間の無呼吸は、赤ちゃんには珍しいことではありません。慌てずに対応することで、ほとんどの赤ちゃんはすぐに呼吸をしてくれます。

しかし無呼吸のなかには、すぐに病院での対応が必要な注意したい無呼吸もあります。

この記事では赤ちゃんの無呼吸についてまとめています。危険な無呼吸や無呼吸のときの対応を知っておくことで、赤ちゃんの健康を守りましょう。

 

 

1. 赤ちゃんの無呼吸とは?

 

赤ちゃんの無呼吸発作とは、呼吸が一時的に止まってしまう状態のこと。

数秒の無呼吸は多くの赤ちゃんに見られ、成長とともに解消していくことがほとんどです。しかし、呼吸が止まっている時間が20秒以上続くか、20秒未満であっても以下のような症状が出ている場合には無呼吸と診断されます。

● 脈が少なくなる
● 顔や唇、体の色が青紫色に変化する
● 血液中の酸素濃度が低下する など 1)

 

 

2. 無呼吸発作の原因

 

無呼吸発作の原因はさまざまありますが、主な原因は脳の呼吸中枢が未熟なことです。新生児のなかでも特に早産児や低出生体重児に多く、別名「未熟児無呼吸発作」ともよばれています。呼吸中枢が発達することで、ほとんどが改善されます。

脳の発達以外の無呼吸発作の原因はこちら。
● 上気道(鼻からのどの奥まで)の奇形
● RSウイルスや百日咳などの感染症
● ミルクのあとの胃や食道からの逆流
● 気道の閉塞
● 脳の異常
● 代謝の異常
● 染色体異常

ほかにも寝る姿勢や温度調整が適切におこなわれていないといった理由でも、無呼吸発作が出ることもあります。

赤ちゃんは自分で体の不調を訴えることができません。そのため赤ちゃんにとって安全で快適な環境を整えること、そして赤ちゃんの様子から「おかしいな」と早めに気付くことが無呼吸の予防と発見には大切になるでしょう。

 

 

3. 新生児無呼吸症候群とは

 

生後28日未満の新生児が20秒以上の呼吸停止を繰り返すと、「新生児無呼吸症候群」と診断されます。新生児のなかでも、特に早産で生まれた赤ちゃんは発症のリスクは高くなるといわれています。

 

新生児無呼吸症候群の特徴はこちら。
● 20秒以上の呼吸停止
● 心拍数の低下
● 皮膚の色が悪くなる
● 体の緊張が低下

新生児無呼吸症候群の主な原因は、呼吸中枢と気道が未熟であること。そのため多くの場合、成長とともに無呼吸は改善するでしょう。

 

 

4.無呼吸発作の際の対応

 

無呼吸発作のほとんどは、赤ちゃんに刺激を与えることで改善します。もし無呼吸になってしまっても慌てず、以下の方法を実践しましょう。

● 体をなでる
● 軽くたたく
● 足の裏を撫でる

刺激をしても呼吸が再開しないときや、顔色や体の色がどんどん悪くなる、ミルクの飲みが悪いなどの呼吸以外の症状があるときは、すぐに受診が必要です。

 

無呼吸の治療にはカフェインなどの投薬治療や、呼吸器具を使って治療をするケースもあります。赤ちゃんの呼吸が安定しないと不安になると思いますが、医師と情報共有しながら呼吸状態の観察を続けていきましょう。

 

 

5. 無呼吸センサーの活用

 

無呼吸センサーはマットレスの下に敷いたり、赤ちゃんのおなかに装着したりして、呼吸の状態を監視する医療器具です。もし無呼吸になってもアラームで知らせてくれるため、すぐに気付くことができます。

特に無呼吸になりやすい早産や低出生体重児のいる病院では導入していることが多いですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のために家庭で使用してケースもあります。

無呼吸センサーは赤ちゃんの呼吸状態を常に監視してくれる便利な医療器具ですが、それに任せっきりになってしまっては危険です。特に呼吸状態が安定しない赤ちゃんは、自身の目でしっかりと安全を確認することが大切となります。

 

 

 

まとめ:新生児の無呼吸はよくあること。落ち着いて対応しよう

生まれたばかりの赤ちゃんは小さくて、ちょっとしたことでも「大丈夫かな」と心配にな
るでしょう。そんななかで無呼吸が起こると、パニックになってしまうママもいると思います。

しかし赤ちゃんの無呼吸はよくあること。落ち着いて対応することで、すぐに呼吸が安定することがほとんどです。無呼吸になっているのを発見したら、まずは軽く刺激を与えましょう。

赤ちゃんの無呼吸には成長で改善するものが多いですが、なにか別の原因が隠れていることもあります。「おかしいな」と感じたら、病院に相談しましょう。

 

 

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参考文献・参考サイト
1)新生児の無呼吸,呼吸障害の診断・管理法

 

この記事の監修

牛丸敬祥  医療法人 ガーデンヒルズウィメンズクリニック院長

院長 牛丸 敬祥

経歴

  • 昭和48年 国立長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院産婦人科入局。研修医、医員、助手、講師として勤務。
  • 産婦人科医療を約13年間の研修。体外受精に関する卵巣のホルモンの電子顕微鏡的研究
  • 医療圏組合五島中央病院産婦人科部長、国立病院 嬉野医療センター産婦人科部長
  • 長崎市立長崎市民病院産婦人科医長、産科・婦人科うしまるレディースクリニック院長
  • 産婦人科の他に麻酔科、小児科の医局での研修
  • 産婦人科医になって51年、35,000例以上の出産、28,000例の硬膜外麻酔による無痛分娩を経験しています。